Category Archives: 琵琶読本

琵琶読本 吉村岳城著 (昭和8年)

薩摩琵琶正派の吉村岳城先生が戦前に著した琵琶奏者必読の虎の巻 (現代語訳) テーマ一覧(目次)はこちらからご覧になれます

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[琵琶読本] 自掲自戒

以前に雑誌現代が「名人達人秘伝公開」という欄を設けて、私にも是非公開せよとの話に仕方なく私は私の戒を書いて送った。それがこの「自掲自戒」である。それを今再び載せることにしたがもちろん私は道程にある者で、名人でも達人でもな […]

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[琵琶読本] 某会を聴くの記(下)

 今度はこの会の代表的弾奏者Hである。 「旅順開城 H」  とビラが出ると場内はたちまち拍手が猛然とわき起こる。

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[琵琶読本] 某会を聴くの記(中)

歌の経緯  また考える。  襦袢を着ていたのを止して半袖シャツへと着替えるととても暖かい。ところがそれをさらに長袖シャツへと着替えると今度は前よりも暖かくなるが、腕が温かくなっただけその代わりに背筋が寒くなる。歌でも一句 […]

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[琵琶読本] 某会を聴くの記(上)

 これは私の門下の研究資料として書いたもので公開すべき性質のものではないけれども一般にも研究資料になると思って特に記載する訳だが弾奏者に敬意を表して名前を出さないことにした。

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[琵琶読本] 流石に延寿太夫

 清元の延寿太夫がある日某大家にご祝事があるので演奏依頼を受けてその邸へ出かけた。ところがどうぞこちらへと案内されるままに座敷へ通ったが座布団がない、座敷にはその一族がずらりと並んで座っている。延寿はその座敷に突っ立った […]

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[琵琶読本] 聴衆は不言実行者

 不言実行という言葉があるが、その実際を模範的に示す者は実に聴衆である。”例えば我々が”こうしたい、ああして欲しいと注文を付けたり、または憎まれ口を叩くのは内心琵琶がかわいいためで、琵琶と離れるこ […]

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[琵琶読本] 覆手の材料

 覆手(ブリッジ)の材料は「島桑」、又は「薩摩桑」らが一番よろしく、それも柾目に限る。私は柾目以外の材料では絶対に作らない。板目は駄目である、板目で作った音はボンボンと大きな音はするがしまりがない。したがって力がない、そ […]

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[琵琶読本] 琵琶の材料

 琵琶の材料は昔から「一桑クワ、二桜サクラ、三欅ケヤキ」と言い伝えている。これは実検からでた言葉で私も過去の実検からこの説は肯定する。私はまだ学生時代から今日までに約数千面に登る数の琵琶を作った。それも一面一面研究しなが […]

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[琵琶読本] 婦人用の琵琶

 三味線でも、太棹や細棹などの種数(※1)がある、そしてその細棹のなかでも長唄、清元、常磐津、新内、小唄等々その芸の質によってそれぞれ異なった作りがある。洋楽でも男の持つものと女の持つものと皆、それぞれ楽器に相違がある。 […]

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