Monthly Archives: 10月 2017

[琵琶読本] 文法と会話

 弾法には「切り」、「中干」、その他にいろいろな手がある。それを私が以前出版した弾法図解を見て短い手だと言った人もあったし、長すぎると言った人もあったので、私は世の中はさまざまだと思った。  そして、私の弾奏の時にその弾 […]

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[琵琶読本] 絃に対する不注意を戒む

 薩摩琵琶を弾くときは諸君も知る通り、押し干が多いだけに多く絃を締める。その締めるのには木でできた柱と弦と擦るのだからはなはだ傷みやすい、そして三味線の如く絃を爪で抑えるのではなく、指の腹を使うから汚れやすい。そこで常に […]

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[琵琶読本] 弾法における「崩れの手」は芸術上より見たる堕落に最も可能性がある

 くすぐったいお世辞以外、誰だって褒められて悪い気のする者はあるまい。褒められて喜ぶということは人間の持ち前の情であるが、これが弱みとも言える。そこで多くの人から沢山の拍手が起これば嬉しくなるのも否めないだろう。

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[琵琶読本] あしらい

「あしらい」とは、歌を一句うたうと一の弦と三の絃をトン、トンと打つ、あれを指していうのである。気をつけているとよく分かるが、一句歌うと必ずやる。

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水藤錦穣の芸風 その一

水藤錦穣は、芸好きの父と長兄の影響を受け、幼少より琵琶の手ほどきを受けるのですが、その最初は近所の髪結いの娘さんから習う常磐津でした。錦琵琶は硬派な薩摩琵琶、流麗な錦心流琵琶のみならず広い芸能ジャンルから技法や表現法を取 […]

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[琵琶読本] 間口と奥行き

間口と奥行き 正宗は名刀の随一と称されてはいるが、切れ味を試した記録がない。けれども確かに切れると誰もが証明している。他の刀はほとんど記録されてある、そしてそれらの刀は横っ腹で切ったのは一つもない。みんな刃で斬っている。 […]

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[琵琶読本] 妙寿流の弾法

昔は一人、その後は二人 薩摩琵琶が生まれた頃は、現在の如く琵琶の弾法は一人で演じた、決して「歌」と「弾法」とを分解して二人がかりで演じなかったが、代を重ねるにしたがって変化してきた。それは「琵琶は好きだが、歌うことは不得 […]

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