最近琵琶発達史 小室汀月著 (大正11年)

大震災の前年に刊行された琵琶人名鑑の寄稿文です (現代語訳)
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[最近琵琶発達史] 第六章 錦心永田君と一水会(5)

錦心流弾奏家健闘の跡
 須田晴園君は「錦心流弾奏家健闘の跡」と題して形容詞沢山の斯流の中心人物の評を「四弦」誌上に掲げている。まず、「六総伝の縦横活躍」というのから始める。 Continue reading

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[最近琵琶発達史] 第六章 錦心永田君と一水会(4)

 而してこれから先の記録の乏しいのには弱らされた。最近葛生君を訪ね「四弦」の主筆となった須田春園君(前から執筆していた)が、「大正何年史」として二-三年前から記録のいろいろを書いているくらいのもので、肝腎な大正十年間の記録が見当たらない。すなわち一水会創立当初の記録と昨年(十年)あたりの記録とを掲げて読者の判断に委ねる外はないのである。しかし前後をつなぎ合わせるのであるから一水会の発達状態をほぼ想察し得るであろう。 Continue reading

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[最近琵琶発達史] 第六章 錦心永田君と一水会(3)

一水会支部の始め
 一水会の支部のそもそもの始めは横浜と千葉県東金町とであって、東金町支部へは永田君はちょっとしか行かず令弟直治君が教えに行った。先だって浅野晴水君の手で東金町在住の四人が水号になったが、これはその昔直治君に教わった人々であるそうな。 Continue reading

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[最近琵琶発達史] 第六章 錦心永田君と一水会(2)

一水会物の始め
 松本玉浦という人の書いた「一水会物の始め」を読んでみると一水会の歴史がほぼわかる。 Continue reading

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[最近琵琶発達史] 第六章 錦心永田君と一水会(1)

 私は冒頭第一に錦心流の特色を挙げて誤りを伝える者の蒙を啓きたい(※1)と思っていた。しかるに葛生君の書いた「錦心流の特色」という一文を手にしたからここに転載する。曰く Continue reading

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[最近琵琶発達史] 第五章 演芸界に立脚した高峰琵琶

高峰琵琶
 私はここにその経路の異なった、そうしてかたくかたく演芸界に立脚(※1)している、言い換えれば演芸界独歩の高峰琵琶について叙述しよう。 Continue reading

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[最近琵琶発達史] 第四章 薩派ようやく陣容成る

薩派ようやく陣容成る
 事実東都に先駆をなしたものは薩派であった。そしてさしも全盛を極めたのであったが、徒に群雄割拠のていたらくで過ごしたためにはなはだ萎靡不振(※1)の状態に陥った。しかしこれは橘流や錦心流の出現によって圧縮されたのが主因であって近来ようやく復活しかけたのは純正なる薩摩琵琶のために慶すべきである。それは正絃会の発展と称して各頭目期せずして一致の行動を執ってきたからである。すなわち群雄割拠をやめて次第に握手して退勢を挽回すべく奮い立つに至った。 Continue reading

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[最近琵琶発達史] 第三章 御前弾奏の嚆矢*

御前弾奏の嚆矢
 これは西幸吉、須田綱義の評伝中にも大体見えるが、最近斯道の発達を促した最大原因なので重複をも厭わず記すことにした。そして「淵源録」と西幸吉君の祝詞を引いて徐述に替える。 Continue reading

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琵琶読本 吉村岳城著 (昭和8年)

薩摩琵琶正派の吉村岳城先生が戦前に著した琵琶奏者必読の虎の巻 (現代語訳)
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